HOME RECORDING DEMO ARCHIVE SERIES VOL.31
解説
01 かぐや姫は月に帰ります
いつも、同じことの繰り返しで申し訳ない。この曲、誰かのために作った曲だと
思うが、それが誰なのか、全く覚えていない。でも、相当、力を入れてアレンジを
しているので、かなり有名な歌手の人だったと思う。しかし、アレンジがちょっと
古めで、グループサウンズ風なところから考えると、僕より上か、同じぐらいか、
の人だったと思う。どちらにしても、使ってもらえなかったらしい。
02 あなたステキ
この曲は、テイチクレコードのプロデューサーから、台湾(香港?)で見つけたジェシー・慕(マウ)という女性シンガー様に曲を作ってほしいと依頼を受けて作ったものだ。結局、僕はジェシー・慕(マウ)本人に会うことはなかったと思うが、この曲は発売されている。
実は、この曲をスタジオで録音している最中に、すごい提案をそのプロデューサーから受けたのを覚えている。そのプロデューサーは、石原裕次郎さんの担当もしていて、その石原裕次郎さんの次の曲を書く気はないかと言われたのだ。裕次郎さんは、その時は体調が悪かったので、良くなったら一緒に会いに行こう、とも言われた。
僕は、当時、自分があの裕次郎さんのために、どういう曲を作曲したらいいのか、全く検討がつかなかったが、とりあえず「はい」と返事をしたと思う。
残念なことに、その後、裕次郎さんの体調は回復せずに何年か後に亡くなった。
僕は、裕次郎さんにお会いすることはできなかった。
03 さみしくって
ジェシー・慕(マウ)のために書いたもう一曲。
04 KEEP ON DREAMING
ご存知、KEEP ON DREAMING。ディズニーが作った映画「オズ/RETURN TO OZ」とのタイアップとして作って、僕が歌うことになっていた曲なので、ものすごく気合を入れてアレンジをしている。そのまま、レコーディングをしたはずなので、レコード(CD?)とほとんど同じだと思う。
ちなみに、たくさん入っている擬音のうち、息の部分は、僕の息を当時発売になったばかりのAKAIのサンプラーで録音して、それをコンピューターで演奏させたもの。マイクに向かって、色々な「ハー!」を録音して、その中で一番かっこいいものを選んで使った。夜中にマイクに向かって「ハー!」を録音している姿は、誰にも見せられたものではなかったに違いない。
実は、この曲は、一度ディズニー側からNGを受けている。なんの理由だったのか、覚えていないが、僕は、こんなに気合を入れてアレンジまでした曲がNGで、また別な曲を作って、さらにそれをカッコよくアレンジするのはもう、無理だと感じていた僕は、ディズニー側に英語で、この曲がどのくらい日本のマーケットに合っていて、素晴らしいのか、ということを(全然日本のマーケットには合っていなかったのだが)主張する手紙を書いて、NGをひっくり返したのを思い出した。
結局、映画も、この曲もヒットしなかったが、僕が無駄に別の曲をアレンジすることだけは避けられた。
05 かぐや姫は月に帰ります 2
01 かぐや姫は月に帰りますを少し変えたバージョン。
06 全共連
全共連というのは、全国共済農業組合連合会の略称。この全共連のためのCMソングかなとも思うのだが、長さが1分とCMソングとしては若干長いので、違う用途だったのかもしれない。どちらにしても、きっと使われなかったのだと思う。
なぜかというと、この曲のサビが、この後に出てくる「お前はとてもWONDERFUL」のバースの4小節と全く同じだからだ。きっと、あまりにも、このフレーズが好きで、もったいないと思って使ったのではないかと、僕は思っている。
ところで、全共連ビルという名前のとても大きな建物が、僕が最初に作曲家として契約した外資系出版社レビュー・ジャパンが入っていた平河町のビルの斜め前にあった。その外資系出版社が平河町にあったのは、その外資の社長(イタリア系アメリカ人だった)が、東京で一番地価が高いところに会社を置きたいと言ったからだったらしいが、考えてみたら、全共連ビルも、そんなところにあったのだから、全国共済農業組合連合会は、随分とお金持ちの団体だったのに違いない。
07 TONIGHT
TONIGHTと言っても、泥棒日記のTONIGHTではない。大沢逸美さんのために作った曲で、僕が作った時は「夢、帰らない」というタイトルだった。
08 超新星フラッシュマン
戦隊モノのテーマ曲を書きませんか、と言われた時は戸惑った。その頃は子供たちが夢中になっていたので、曲はたくさん知っていたが、僕が作る曲とは、雰囲気が大きく違っていたからだ。
でも、父親としては、ここで、子供たちに大きく尊敬されたいという気持ちで、引き受けることにした。
ただ、その目論みが失敗だったことに気がついたのは、この曲の初めてのお披露目で後楽園の戦隊ショーに行った時だった。
僕は、今度の戦隊モノのテーマ曲を作ったことを8歳、7歳、5歳の子供たちに自慢げに話して、一緒に会場に行った。
戦隊ショーが始まる前に、新しいヒーローと新しいテーマ曲が誕生したことを、司会のお姉さんが紹介した後に、「今日は、その新しいテーマ曲を歌ったお兄さんが来ていて、これから歌ってくれます」と言った。
何を間違えたのか、僕の隣に座っていた3人の我が子が目をキラキラとさせて僕の方を向いた。
僕は、違う違う、と手を横に振ったが、子供たちのキラキラが止まらない。
「これはやばいぞ」と思っていた時だった。
「歌手の北原拓さんです、どうぞ」
お姉さんの声と一緒に、ステージの袖からマイクを持った北原さんが登場すると、僕の書いたばかりの曲のイントロが流れた。
それを見た時の子供たちの落胆の顔は、一生忘れない。
09 ファイティングポ-ズ フラッシュマン!
超新星フラッシュマンのエンディングテーマ
10 ドリーミング・A・GO-GO
KEEP ON DREAMING で使ったAKAIのサンプラーで、色々な「Brrr!」を録音して作った。これも、さまざまなSEを使っている。
11 ドリーミング・A・GO-GO 2
ビックリマンオープニングテーマのロングバージョン
12 ファイティングポ-ズ フラッシュマン!2
超新星フラッシュマンのエンディングテーマの2
13 あなたのエンジェル
さて、誰か、アイドルの人に書いた曲だと思うのだが、誰に書いたのか、記録にも残っていないし、覚えていない。でも、わかりやすい曲になっている。
14 愛 もう一度
次の曲が上田正樹さん用に書いた「おまえはとてもWONDERFUL」なので、多分、この曲も上田正樹さん用に書いたのだと思う。静かだが、ピアノのアレンジがかっこいい、とてもいい曲だ。
15 おまえはとてもWONDERFUL
というわけで、結局約10年後に自分で歌ったこの曲は、この時に上田さんに書いた曲だったというわけだ。このデモはアレンジも含めて、とてもかっこいい。
16 ジャックナイフの夏
ご存じ堀ちえみさんに提供した曲。アイドル用の曲ということを知りながらも、この曲特有の出だしの歌い方や、サビのサックスのフレーズなど、かっこいい要素を入れ込んだのだが、逆にアイドルだからということだろうか、堀ちえみさんのCDには、その辺は生かされていない。
17 太陽 NO.1
この後に僕が挑戦する「予感」のラテンの雰囲気が満載の曲。「ジャックナイフの夏」のカプリング曲。