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HOME RECORDING DEMO ARCHIVE SERIES  VOL.32
解説

01 RAINY DAYS BLUE

 この曲は、アグネスのアルバムで知り合ったSMSレコードのディレクターに頼ま

れて、当時新人だった森恵さんのために書いた曲。調べてみて、この曲はデビュー

アルバムに収められていることがわかったが、同時に、僕が書いた別の曲が彼女の

2枚目のシングルになっていることがわかった。

 そのシングルの曲のデモを探してテープを探して、結局見つけてびっくりした。

その曲「微熱に抱かれて」は、この曲を書いてから90曲ぐらい後のテープに収録されていたのだ。

 多分、このRAINY DAYS BLUEを渡した後に、もっとシングルとしてヒットしそうな曲が欲しいと言うことで、もう1曲、頼まれたのだと思うが、最初に頼まれてから、そんなに時間は経っていないだろうと考えると、この頃、いかに、すごいペースで曲を書いていたのかがわかる。

 曲の制作日が書かれていないことの理由がわかるエピソードだ。

 ところで、この曲、サビが最後に出てこないなと思ったら、2種類目のサビの後ろで最初のサビのメロディが演奏されていた。

 めちゃくちゃオシャレじゃないか。

02 新日本証券 1

 こういうタイトルなので、新日本証券用に書いた曲に間違いないと思うのだが、さて、使われているのか、覚えがない。

03 新日本証券 2

 新日本証券のために書いたもう一曲。

04 ラプソディー

 桑田りんさんという女性歌手に書き下ろした曲。彼女の2枚目のシングルになっている。月桂冠「TIME」のCMソングだったらしい。

05 流行色

 前の曲と同じ時にやはり桑田りんさんに書き下ろした。彼女の3枚目のシングルになっている。メナード男性化粧品イメージソングだったらしい。

06 ボディーアクションダンスじゃないわよ

 フラッシュマンのアルバム用。5人いるヒーローたちのそれぞれのテーマが必要だったらしい。BGMで、使うためにもたくさんの曲を書かなければならなかった。これは、ヒーローたちの中の一人、女性のための曲。

07 熱いハートのスペクトル

 これも、フラッシュマンのアルバム用の曲。

08 フラッシュマンの誓い

 これも、フラッシュマンのアルバム用の曲だが、これが主題歌でもいいくらいよくできている。

09 恋の接近法

 ご存知、小泉今日子さん用に書いた曲。「なんてったってアイドル」の次のシングルだったので、根性入れて書いたのに、採用されなかったのでとても悔いが残っている曲。

 当時、ディレクターに手直しを頼まれた時、どうして、直さなかったんだろうと、ずっと、後悔している曲だが、今回、理由のいくつかがわかった。

 まず、一つ目は、この頃、続けてたくさん色々な曲を書いていてとても疲れていたので、ことの重大さに気が付けるほど、頭が回らなかったのだろうということ。

 二つ目は、この曲のデモをとても細かく作り上げていて、自分で気に入っていたので、何を直したらいいのか考えられなかったことだ。

 とにかく、この曲だけで、4回、デモを作っている。

 そして、その4回とも、入っている楽器の数が違うくらいで、メロディーは何も変わっていない。

 このメチャクチャ忙しかったはずの時に、なんのために、こんなにたくさんのデモを録音したのか全くわからないが、とにかく、メロディーが変わっていないということは、この4回目のデモを先方に渡して、手直しを要求されたのに、何もしなかったということが事実だと思う。

 そりゃ、シングルにはなるはずがないわな。

 きっと、ディレクターを怒らせちゃったんだね。

 その割には、アルバムで歌ってくれてるんだけどね。

 ところで、この曲の1から3までのデモは、あまりにもこの4と変わらないので、今回のデモシリーズから省きました。申し訳ない。

10 グラビアの少女

 1曲目と同じ、森恵さんのために書いた曲。僕がこのあと作る彼女の2枚目のシングル「微熱に抱かれて」のB面になった。

11 肌色のぬくもりにさよならを

 さて、誰のための曲かリストに書いてないので、わからないが、曲調からすると、これも、上田正樹さん用に書いた曲なんじゃないかと思う。

 ところで、なんでこんなにたくさん上田正樹さん用の曲を書いているかというと、当時、上田正樹さんのレコード会社の担当ディレクターととても仲が良かったからだ。

 ちょうど、コロムビアとの契約が切れて、僕は、どこのレコード会社と契約するか考えていた時だった。彼は、自分のレコード会社を勧めていてくれていた。

 そんな時彼が、仕事で韓国に出張に行くのだが、一緒に行かないか、と誘ってくれた。韓国に、日本と近しい作曲家がいて、その人の曲を録音しに行くというのだ。僕は、まだ行ったことがなかった韓国に行けるということで、喜んで同行することにした。

 その韓国旅行は最高に楽しかった。

 その旅行はただの同行者で、なんの責任もなかったし(もちろん録音には付き合った)外国にいたからだろうか久しぶりに愉快なやつに戻ることができた。

 それはとっても久しぶりのことだった。

 中学以来か、それとも高校以来か、とにかく自分が愉快なやつだということを忘れていたぐらい久しぶりのことだった。韓国にいた間、頭の中に面白いことが次々と浮かんできて、それを口に出すと、またとんでもないことを思いつく、ということの連続だった。

 僕があんまり笑いっぱなしだったので、その韓国の作曲家からメンコギ(カエルのなにからしい)という、あだ名をもらったほどだった。

 その時、その作曲家の息子さんとも仲良くなった。

 彼は、アメリカ留学後、アメリカの会社に就職していたが、父親の手伝いをするために一時帰国していた。

 その親子と話をするときは、お父さんとは日本語、息子さんとは英語で、三人揃っての共通語がない、という不思議な状態だったが、すごく楽しかった。

 その後、間もなく僕は事務所を立ち上げてそれまでの事務所ジェニカミュージックを去るのだが、そのこともあってその時はレコード会社を移れなかったので、そのディレクターとは疎遠になってしまった。

 何年も経ったころだったと思う。

 僕が去った後のジェニカミュージックに、その息子さんから結婚式の招待状が届いていたことを知った。 

 僕がそのことを知ったのは、その結婚式の何年か後だったと思う。

 本当は、またメンコギになってその結婚式に参加したかった。

 彼には、連絡する機会を失って今に至っている。

12 I WANT HIM - THE GAZO BOOM

 奈良橋さんが脚本と歌詞を書いて、当時慶應大学の学生だった別所哲也さんが主役を演じた学生用のミュージカル「RETURN TO AFRICA」用に最初に書いた曲。

 本来は、ターザンを題材にしたミュージカルだったが、権利の問題でターザンという言葉は使えないことになったので、結果的には、よく似た境遇の「GAZO」を主人公にしたミュージカルになった。ただ、僕がデモを作った時は、まだ、権利の問題が発覚する前だったので、デモでは、そのままターザンという名前を使っている。

 この曲はミュージカルの中では7曲目だが、何故かこの曲から書いている。

 もしかしたら、この曲の歌詞を一番最初にもらったのかもしれない。

 この曲は、「GAZO」がアフリカからアメリカにやってきて、アメリカ中が熱狂するというシーンの歌。ジェームスブラウンをイメージしたR&Bの曲に仕上げている。

13 WELCOME HOME

 この曲はミュージカルの中では6曲目。さっきの曲の前に、「GAZO」がアフリカからアメリカに帰ってきた時の歌。

 5拍子のしゃれた曲になっている。

14 AFRICAN RHAPSODY

 この曲がこのミュージカルの主題歌で、フィナーレの曲。僕は、今でも、この曲を聞くたびに感動できる。

15 EXPERIMENT

 ターザン(GAZO)が人間離れした力を持っているので、アメリカ人が研究室で、彼を色々調べるために実験をするシーンの曲。

16 WHO IS HE

 アメリカ人がアフリカでターザン(GAZO)を発見したときの歌。

 ピアノとコンガだけの演奏にしている。それから、色々な人が歌うことになっていたので、パートで声を変えて歌っている。

17 HELLO, ELIZE !

 元々は、ターザンの恋人として有名なJANEがタイトルで、「HELLO, JANE」だった。

 この曲もコンガを使って演奏している。

18 WHEN I SEE YOU AGAIN

 ターザン(GAZO)とJANE(ELIZE)の別れの曲。自分で書いた曲の中で5本指に入る名曲だと思う。すごい曲だ。

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