HOME RECORDING DEMO ARCHIVE SERIES VOL.16
解説
01 THE ROAD OF SILK AND SPICE
なんということだろう。途中で、切れてしまっている。こんなに、出来のいいデモ
テープを作るのには、相当、時間がかかったはずなのに、これしか残っていない。
残念だ。実は、この頃、録音の機材を大きく変えた。その時に、デモテープのOKバ
ージョンを記録用に取っておくということを最初は思いつかなくて、約1年間は、普
通のカセットの形で、誰かにあげたものが戻ってきたか、何かが気に入らなくて、人
に渡さなかったものしか残っていない。これは、どうだったのか。とにかく、ここで、切れてしまっている。
02 WAVE GOOD-BYE
4拍子のWave good-byeだ。このデモテープを聞いたミッキーが、この曲には3拍子の方が合うと気づいて、3拍子でアレンジしてくれた。3拍子にしたことで、Wave good-byeは、この歌詞の世界を美しく表現できるようになった。それとは違い、この4拍子のWave good-byeは、どこか機械的で、クラシック的で、実験的な要素が強い。
03 IMAGES OF MYSTERY
全体がゆったりしているのに、中間のMirages appearのパートの1箇所だけがせわしない。ミッキーがここを伸ばした意味がわかる。あとは、ゆったり気分が満載で、気持ちがいい。
間奏のようなところの裏声のパートが、いい味を出しているのだが、レコーディングでは忘れていたのか、歌っていない。
04 FOLLOW
バラードとして作った曲らしい。カトマンズの映画の中では、この曲のこれに似たバラードバージョンが使われていたと思う。もちろん、ライブで何回も演奏して、楽しかったアップテンポのバージョンも素晴らしい出来だと思う。
05アラジンのランプ
僕トークの6の時に聞いてもらったバージョン。軽い、とてもかっこいいポップソングになっていると思う。
06アラジンのランプ リズムボックスなし
05と同じテークだと思うのだが、リズムボックスがないだけでなく、何か、違っている感じがするが、気のせいかもしれない。
07 LET IT BURN(魔法のあかり)
エコーがたっぷり効いた歌が印象的だ。間奏が面白いのも気になるが、字余りの3番の歌詞があるのも、今となっては珍しい。
08 LET IT BURN(魔法のあかり)リズムボックスなし
コーラスがたくさん付いてる。新しい録音機材が今までの4トラックではなく8トラックだったので、余裕を持って録音できたからだ。
09 PIANO BLUE 1
始まりがレコードと全く違う。驚きだ。もちろん、僕は、すっかり忘れていた。しかし、これはこれでかっこいいと思うのだが、どうだろう。最終バージョンとのクオリティ的な違いは、転調がないことぐらいだと思う。どちらにしても、この曲を作った時は、自分でもびっくりしたに違いない。
10 PIANO BLUE 2
始まりがレコードと同じになったと思ったら、すぐに、違うメロディになってしまった。そうこうしているうちに、また戻ったり、結構、忙しいバージョンだ。おまけに、まだ、転調がない。
11 PIANO BLUE 3
そして、こうなった、という感じか。やっぱりよくできてきている。
12 A HUNDRED YEARS FROM NOW (ANOTHER VERSION)
一体、これはどうしたことだ。こんな曲を書いていたとはびっくりだ。60年代初頭のアメリカのヒット曲のような匂いの曲。この頃、ちょっとした懐古趣味が世界的にあって、その流れを受けての作曲だったのかと思う。アンディ・ウィリアムスとか、トニー・ベネット、フランク・シナトラなどのビッグシンガー向けのテイスト満載の曲だ。
13 M.O.R.
サビの迫力がすごい。ただ、これを毎回ライブで歌い切る自信がなくて、レコードのように、少し、切るようになったんだと覚えている。最後に、サビとバースがかぶるところもかっこいい。
14 LONELINESS
出だしから、レコードとほとんど一緒だ。ただNO, NO, NOのところのコードが、ミッキーが変えた方が断然いい。このコードだと少し、物足りない。ところで、最後の不思議なハーモニーは、今っぽくて、よくできていると思う。今の機材だったら、もっと、自然にかっこよくできたと思う。
15 STEP BY STEP
さて、この曲がわからない。MORのアルバムの曲の間に収録されているので、MOR用に書いたのは間違いないと思うのだが、それにしても、雰囲気が違う。何かのCMかとも思うのだが、何だろう。曲はポップでかっこいい。
16 THREE YEARS OF LOVE
これを聞いて、デモテープの時から、死にそうになりながら歌い続ける歌だった、ということがわかった。最後の方のOHが、もう、疲れたという風に聞こえるのは、僕だけだろうか。
17 幸せは樹のように
この曲もM.O.R.のために書いたのだと思うけど、結局、使われることはなかった。そして、何年か経ったある日に、ビクターのディレクターに「ねむの木学園」用の曲をくれないかと頼まれて、何曲か渡した歌のうちの1曲になった。それから30年以上経った3年前、なくなった山川啓介さんのお別れの会で、この曲の日本語の歌詞をつけてくれたのが山川啓介さんだったということと、この曲がずっと、「ねむの木学園」で歌われ続けていた、ということがわかって、感動した。
18 NOTHING
サビのところの裏のメロディーも出来上がっている。きっと、よっぽどこのパートが気に入ったのだと思う。最後の繰り返しが長い。FADE OUTかと思ったら、エンディングもついているし。ただでさえ、キーが高くて大変なのに、まあ、たくさん歌ったものだ。