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HOME RECORDING DEMO ARCHIVE SERIES  VOL.24 
解説

01 ELECTRIC HEART 2

 ウィングス時代のポール・マッカートニーのような雰囲気で始まるかっこいい曲

だ。僕は、ビートルズマニアだが、なぜかビートルズっぽい曲を書くのはあまり好

まないタイプだった。それなのに、ビートルズを解散してからのソロの曲に関して

は、意外とそれっぽい曲を書いている。例えばアルバム「走り去るロマン」の「FR

AGMENTS」や、「HAPPINESS」、それからレコードにはなっていないが同じ頃に

書いた「GENIUS」などはジョン・レノンになったつもりで書いた曲だし(それほど、似ていない)、だいぶ後にCDになったが1999年のアルバム「WHAT A BEAUTIFUL NAME」に入っている「FOREVER 〜いつまでもI LOVE YOU〜」は言われてみればジョージ・ハリソンだし、それから、ウィングス時代のポール・マッカートニーのテイストは随分、いろんな曲に現れていると思う。この曲は、そんな中の一つだろう。

 当時、事務所がレコード会社と共同でやっていたレーベルのアーティスト用に書いた曲だったと思う。

02 スペース小町

 石立鉄男主演のドラマ「天まであがれ!2」の主題歌。『とんでモン・ペ』の主題歌「あロックンロール」を歌ったえりこを中心にしたグループJan Ken Powが歌った。Jan Ken Powも当時事務所がやっていたレーベルのアーティスト。曲やサウンドが新しい感じがするのは、事務所からの要望だったと思う。歌詞の内容も「ELECTRIC HEART」は、電気心臓を店で売っている話だし、スペース小町は宇宙からやってきている。レーベルの色として、未来的な感覚を出したかったようだ。

03 スペースレディー

 「天まであがれ!2」の主題歌で、2曲書いたうちの1曲。これも、捨てがたい。コーラスのところが、それこそビートルズっぽいのだが、ビートルズよりもいい、というのは言い過ぎか。その後、フレーズが終わる時に、コーラスごと下がる手法は、僕のオリジナルだ。

04 天まで逃げろ

 「天まであがれ!2」のエンディングソング。変則的なロックンロールになっている。

05 CARRY LOVE

 ご存知、「CARRY LOVE」。気持ちよさそうに歌っている。

 ゴダイゴのレコードでは、ちょっとしたフレーズも違うし、僕が適当にやっていたフレーズの繋ぎやコードもしっかりと構成し直してある。それでも、今、こうやってデモを聞き直してみると、当時、ミッキーはデモの雰囲気を変えないで、アレンジしてくれたんだな、という印象だ。こういうのが嬉しい。

06 IN LOVE WITH PEOPLE

 覚えていなかったが、「CARRY LOVE」の時も、CMソングだったからだろうか、ちゃんと2曲書いていたのだ。書いたことは忘れていたが、この曲は記憶にあった。きっと、オーケストラのバッキングを意識して書いた曲だと思う。今だったらもっと上手くおけが作れたと思うが、この頃は、こういう風にしかできなかったのだと思う。それでも、雰囲気はよくできている。いい曲だと思う。

 

07 バラバラ色の宇宙

 さて、この曲は何のために書いたのだろうか。どちらにしても、テーマが宇宙なので、事務所のレーベルプロジェクトのために書いたのは想像できるが、何か、決まった目的があったのか、そうじゃなかったのか、ちょっとわかりにくい。ただ、時期的なことと、コーラスがたくさん使われていることから、えりこを中心にしたグループJan Ken Powのために書いた曲ではないかと思われる。

08 JUST ONE LOOK

 かっこいい曲だが、なぜか、途中から歌詞がない。これは、浮かんできた曲に自分で適当に歌詞をつけたのはよかったのだが、バースの歌詞を作る気力がなくて、そこを誰かに書いてもらおうと思って作ったデモなのではないか、と思われる。

09 パイナップル・フィーリング(浜辺で愛して)

 前回約束した、小泉今日子さんに提供した、幻の4曲目。なかなか探すのが大変だった。まず、iTuneで小泉今日子さんのパイナップル・フィーリングを買って、それを聴きながらメロ譜にして、それから、前回のテープに入っている、ボツ曲を聞きながら、そのメロ譜と照らし合わせるという作業だった。そして、その曲は確かに前回の「ときめきたいの」や「雨の海岸通り(雨のバス停)」と同じテープに入っていた。それどころか、その「雨の海岸通り(雨のバス停)」と同じ日にデモを作っていた曲だった。

10 恋はDIDIDI

 ゴダイゴの『FLOWER』のために書いたが、誰も使おうと言ってくれなかった曲。もう、すでに、「ONE DIMENTION MAN」の雰囲気があるのがすごい。
 僕としては、ある意味ジョン・レノンに挑戦した作品だったと思う。ジョン・レノンは、ビートルズの後期から、楽器で同じフレーズを繰り返して強烈な印象を残す曲が多かった。実際、僕はそういうスタイルの曲はあまり好きではなかったので、ほとんど作らなかったのだが、どうも、この曲で挑戦してみたらしい。
あまり評価は高くなかったが、僕は、上手くできていると思う。

11 MAGIC IS THE WORD

 一体何のために書いたのか、全くわからない。ただ、曲が短いところを見ると、何かのCM用だったのかもしれない。

12 PLEASE LET THE SUN

 すごく良くできている。バースで入る不思議なコーラスもエフェクトがたくさんかかったギターも、気持ちがいい。

 

13 ELECTRONIC MUSIC

 多分「Rock to the music」のような曲をゴダイゴ用に書きたいと思って書いた曲だと思う。「Rock to the music」を種々の事情で、Rockのスタンダードにすることができなかったので、新たに、この曲で、と思ったのだと思うが、なぜか、使われていない。かっこいいのに。

14 HOW CAN I BELIEVE IN LOVE

 『FLOWER』の「HOW CAN I BELIEVE IN LOVE」だが、サビ以外が全く違う。きっと、出だしの感じも、メロディもあんまりパッとしなくて気に入っていなかったのだと思う。その結果、FLOWERのアルバムでは、ミッキーに出だしのメロディーを書いてもらうことになった。珍しい、二人の共作曲だが、ここでは、その前の、苦しみながら作っているバージョンを聞いてもらう。

15 I'M MISS COMPUTER

 事務所のレーベル用に書いた曲。結局使われていない。

16 I ROCK AND ROLL

 きっと、『FLOWER』のために書いたのだろうが、今思うと、ちょっと路線が違う感じはする。使われなかった。

 

17 ONLY SILENCE

 ギターのフレーズはアルバムと同じだ。だが、歌詞は、Don’t you know wow wow以外で、同じところは全くない。このデモでは、ちょっとしたラブソングだったのだが、アルバムでは、なんとなく歴史の一幕を感じさせるような、深みのある歌詞になっている。もしかしたら、最初のギターのフレーズを含んだ曲自体にそういう雰囲気があって、歌詞を書いたジョニーが書き直したくなったのかもしれない。

18 ブルーレイン

 ご存知、「機甲創世記モスピーダ」のエンディングソング。

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