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HOME RECORDING DEMO ARCHIVE SERIES  VOL.25 
解説

01 失われた伝説-ユメ-を求めて1

 「機甲創世記モスピーダ」のオープニングテーマ。マレーシアで地元のロックバ

ドがカヴァーして人気になっている曲らしい。本番のテレビアニメ用の歌はB.A.R.

何曲も歌ってもらったアンディに歌ってもらった。このデモはまだ、完全には曲が

来上がっていない感じだ。頼りないところが多い。この後の「失われた伝説を求め

て2」が、OKバージョンだと思う。頼りないヴァージョンもそれなりに楽しんでもら

えると嬉しい。

02 失われた伝説-ユメ-を求めて2

 OKバージョン。よくできていると思う。

03 ONLY SILENCE 2

 まだ、If you love meのままだが、メロディはONLY SILENCEになっている。

04 SWEET LITTLE TROPICAL GIRL

 もともと、ジョニーが書いたLET ME GOという歌詞で、誰かのために書いた曲だったのだが、多分、難しくて歌えないということで、ボツになっていたのを、いい曲だからゴダイゴで使えないだろうか、ということで、ジョニーが歌詞を書き直してSWEET LITTLE TROPICAL GIRLになった記憶がある。Ooh wow wow wowとなっていた歌い出しをSWEET LITTLE TROPICAL GIRLという言葉にしたのは、センスを感じる。

05 OOH WAKA BOOM SHAM

 軽くて、めちゃくちゃよくできてる曲だ。なんのために作ったのか覚えていないのだけれど、この特徴のある擬音英語は、ずっと覚えていた。曲の方も、ほぼ完全に覚えていたけれど、本当に、こんなにいい曲を、どうしてそのままにしておいたのだろう。

06 KONA WINDS

 ご存知、KONA WINDS。「ウ・タマナハ・ママナヤ」のインチキ・ハワイ語があまりにもハマっていたからだろうか、他の箇所は、あまり上手く歌っていない。そのせいか、今、僕がこのうたを歌う時には、CMを歌ってくれて、このうたの歌詞も新しく書いてくれて、すごくかっこよく歌っている、ハワイの大スター、ヘンリー・カポノのバージョンをコピーして歌っている。

 ところで、このデモの最初から最後まで鳴っている、コロコロした音だが、これに、音程があることに気がついてもらえただろうか。この音の主はアンクロンというインドネシアの楽器だ。竹でできた楽器で、低い音のものは大きく、高い音のものは小さい。これを、ハンドベルのように、一人一つか二つ持って、揺らして鳴らす。

 この時は、まだ、今のように、デジタルで、楽器の音のサンプリングができる時代ではなかったので、実際に僕が自分で、コードに合わせて自宅で演奏した。

 この楽器、実は、僕の奥さんが学生時代に懇意にしていた民族雑貨屋さんから買って、結婚するときに他のものと一緒に持ってきたものだった。

 大きなものは80×50×5センチぐらいで、小さいものは20×10×3センチぐらいだが、全部で2オクターブぐらいあって、(確か、黒鍵もあった気がする)全部で20個を超えていたので、いつも置くところに困っていたのを覚えている。

 この曲のデモを録った時はどこに置いてあったか覚えていないが、一時期、壁に向かって置いてあるアップライトピアノの上に吊っていた時があった。

 インテリアとして、なかなかかっこいいので、気に入っていたのだが、そのせいで一度面白い事件があった。

 バイオリニストでアレンジャーの中西俊博さんが、「I BELIEVE IN MUSIC」のアレンジの打ち合わせで自宅に来てくれた時の話だ。

 玄関で僕の奥さんと挨拶をして、僕の仕事部屋に案内された中西さんは、すぐに、このアンクロンに気がついてこうう言った。「この楽器どうしたんですか?」、これがインドネシアの楽器だということを知っていた中西さんがこう、僕に聞いてきた。こんな日本にあまりない楽器を、どうやって手に入れたのか、ということを不思議がって、そう聞いてきたんだなと思った僕は、僕が手に入れたんじゃなくて、僕の奥さんが手に入れたんだ、という意味で、「ああ、僕の奥さんが花嫁道具で持ってきたんですよ」と、ちょっと面白く言ってみた。これが間違いだった。彼は、途端に、嬉しそうな顔をして「やっぱりそうだったんですか、玄関でお会いした時にそうじゃないかと思ったんですけれど…」 と、饒舌に話し始めた。「ち、違う。違います。そういう意味じゃなくて、いや、うちの奥さんはちょっと顔立ちはエキゾチックですが、日本の人で…」と、誤解を解くために話しても、中西さんは、ニヤニヤと頷くばかりで、この誤解を解くのに、アレンジの打ち合わせ以上に時間がかかったのを覚えている。

07 希望の地

 SF作家の光瀬龍さんの小説を萩尾望都さんが漫画にした、「百億の昼と千億の夜」のイメージアルバムのトップに収録されている曲。英語のタイトルはATLANTIS。実際に発売されたアルバムにはないが、このデモには僕の歌が入っている。

 このアルバムを引き受けた時、どうしてもインストロメンタルでアルバム1枚を書き切る自信がなくて、ジョニーにいくつか歌詞を書いてもらったのだ。

 イメージアルバムはインストでしか発表できないが、いずれ、歌入りで発表する機会があると嬉しい、と思いながら作ったのだが、結局、40年の時間(とき)を超えて、こうしてデモの販売という形で発表できた。本当に嬉しい。

 インストになることを意識しながら、しっかりと歌の部分も作っている。よくできている。とにかく、聞いてほしい。

08 KONA WINDS 2

 前のKONA WINDSから色々な楽器を除いたバージョン。

09 DISCO ROBO

 さて、これはCM用に作った曲だと思う。なんてったって、37秒しかないんだから。ただ、何も覚えていません。

10 組曲いにしえ

 さあ、ここから「百億の昼と千億の夜」用の曲が続く。頑張ってインストロメンタルを書きながら、ちゃんと真ん中で歌が入っている。アトランティスの明るい農村風景から市場、そして夜を迎えて、また朝が始まる。長い曲だが、まず、いにしえのアトランティス大陸を感じて欲しい。

  希望の地もそうだが、歌のところはオリジナルの歌詞カードが見つかっている。タイトルは「MARKET」。

11 ラブ・ソング

 必ず、バラードは入っているから安心する。綺麗な曲だ。

12 惑星開発委員会

 惑星開発委員会が勝手になんでも決めてしまう世界の歌。こういうちょっと捻れちゃっていても、ポップな曲を書くのは得意だ。「百億の昼と千億の夜」用の曲も、もう、4曲目。アルバムをまとめるためにもちょっと変わった曲を作ったのだと思う。

13 B級市民の歌

 歌い出しがビートルズの「Come together」に似ているのは、あとで気が付いた。曲全体の展開がうまくいったことに結構満足していたので、このデモを作っているときは似ていることに気がついていなかったと思う。結局、この後、書き直した。

14 戦いと愛

 作った時から完全なインストロメンタル作品。これはこれで、すごく面白い。まるで、テレビゲームの中の戦闘シーンのようなものからはじまって展開していく。最初から同じなのは、小太鼓だけで、他は思いつくままに音を重ねていったのだと思う。アニメの戦闘シーンだったら、このままで十分に役割を果たしていただろう。が、アルバムを作る作業のときに、アレンジャーに渡す譜面を書くことを考えたら、大変だと思ったのだろう。この後、もう一度、曲を作り直している。

15 B級市民の歌 2

 歌い出しが「Come together」にならないように作り直している。ゆったりしたメロディは変わっていない。ポップないい曲になった。

16 荒野

 この曲も歌で書いていたとは驚いた。短い曲だが、全てが終わった後のまとめを歌っているようだ。

17 戦いと愛 2

 フレーズは前の「戦いと愛」と同じもので始まるが、あのちょっと恐ろしげな小太鼓はない。そして、やがて、14の「戦いと愛」にはなかった、愛の部分が綺麗に流れる。萩尾さんが光瀬さんとの対談で、この愛のメロディーが綺麗だと言ってくれているのが嬉しい。書き直してよかった。 歌い出しが「Come together」にならないように作り直している。ゆったりしたメロディは変わっていない。ポップないい曲になった。

18 QUIET INVASION

 この曲は、「百億の昼と千億の夜」とは全く関係がない。NADJAという歌手の人に書いた曲。素晴らしく劇的でカッコ良い仕上がりだ。歌詞は奈良橋さんが書いている。84年の正月の2日にデモを作っているところを見ると、この年もお正月休みはなかったのかな。

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