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HOME RECORDING DEMO ARCHIVE SERIES  VOL.27 
解説

01 GOOD GIRL

 ご存知、泥棒日記のトップの曲。

 この曲から、家で作るデモテープの音質のレベルが上がっている。新しいドラム

マシーンを手に入れた時らしい。当時、ドラムマシーンはアメリカ製の、DMXと

LINNが有名だったが、両方とも、相当値段が高くてとても買える代物ではなかった。

そこに、国産のKORGの製品が手頃な値段で発売になったので、買った覚えがある。

 この曲の時は、この頃に、流行っていたシモンズという電気ドラムの音色を、それまでの音色に加えて使えるようになったと記憶している。そのおかげで張り切って使っている。

 僕の場合、新しい機材とか、新しい音色が手に入ると、とても創作意欲がわく。

 いちいちお金をかけないと、新しい音楽が作れないのか、と怒られそうなのだが、実際そうだから仕方がない。

 もっとも、これは、僕だけの話ではなく、古くはベートーベンがピアノにペダルがついた途端に、ペダルを多用したダイナミックな演奏をして、観客を驚かせたのは有名な話だし、70年代のシンセをはじめとする新しい楽器のおかげで、世界中の音楽が変化したのも記憶に新しい。

 僕としては、最近も新しいものを手に入れ続けているので、実は、新しい曲がいっぱいたまっている。近いうちに発表できると思うので、楽しみにしていて欲しい。

 まあそういうわけで、今も、僕は新しい機械や新しい音色に夢中です。 

02 TAKE A CHANCE

 GOOD GIRLと同じ日にデモテープを作っていたとは、覚えていなかった。ハードな曲が多い泥棒日記の中では軽いので、後の方に書いたのかなと思っていたが、そうではなかったようだ。

03 HELPLESSLY IN LOVE WITH YOU(日本語) 

 例の「縫うほどにロマンス」。CM用だからだと思うが、非常に短い。

 ところで、歌があまり上手くない。

 英語で書いた曲を日本語で歌おうとすると、言葉の載せ方を気にするあまり、音程が悪くなることがよくあるのだが。この時もそうだったようだ。

04 SEALS THE MOMENT(日本語) 

 これが例のフジカラーのCM用デモ。「縫うほどにロマンス」と同じ日に歌っているのに、比べると、声の伸びも、ハリも最高で、すごく上手く歌っている。この日本語バージョンが難しかったので練習した成果だろう。

 

05 YOU

 これが泥棒日記3曲目のYOUのデモ。 なんだかとってもよくできている。ある意味、僕のデモの完成形といってもいいかもしれない。

 まだ、全部の楽器をコンピューターで演奏できたわけではないし、僕が弾いてるギターの演奏もうまくオケに溶け込ませることはできていないので、少し荒っぽく聞こえるけれど、イメージも、コンセプトも、かっこよさも、今の時代に持ってきても遜色ないと思う。

06 LOVE YOU TONIGHT

 ハードな曲を作ろうとしているのに、歌い方がなんとも若くて可愛らしいのが微笑ましい。半ば、出鱈目と思えるソロが、アルバムではラウドネスの高崎くんのあのかっこ良いソロになったのかと思うと、味わいが深い。エンディングで変拍子を入れたり、最後に思いっきりシャウトするかと思ったら、最後はソフトに歌って肩透かしを食らわしたり、色々アイディアを入れ込んであるのだが、よくあるように、アルバムでは反映するのを忘れていたらしい。

 

07 傷ついたハート引きずってLOVE YOU

 この曲は、最初からコンサートのエンディングの曲にしようと思って作ったのを覚えている。

 だから、最後に何回もサビを繰り返す構成になっているのだが、アルバムにするときに、同じだとつまらないと思って、国木田さんに歌詞を増やしてもらった。しかし、これがライブの時に覚えられなくて大変だった。コーラスの人たちにも歌ってもらうので、僕が間違えるとメチャクチャになってしまう。本当に、すごく苦労した。

 と言うわけで、このデモでは、まだ増やしてもらっていない、同じ言葉を繰り返している。

 

08 THINKING OF YOU

 この曲、作った時はやっぱりバラード。

 でも、アルバムはハードロック風にしたかったので、この曲も普通にならないように、わざとチグハグな激しい音のドラムを入れた。

 アルバムのアレンジのコンセプトだが、アレンジャーの鷺巣くんには「できるだけデモに近い形で、さらにかっこよくしてほしい」と頼んであったので、ほとんどの曲のアレンジがデモと同じだが、この曲だけは、彼が「この曲だけ、好きにアレンジしたいんですけど、いいですか」と聞いてきたのを覚えている。

 もちろん、彼がそう言うのなら、と思ってOKした。そして、スタジオ録音の時に初めて聞いたのが、泥棒日記に収録されている、あのアレンジだった。

 僕は、あのアレンジを聞いて、初めは、なんだか普通だな、と感じたが、なるほど、他の曲のアレンジと、コントラストになっていいな、と思い直して、そのまま採用したのを覚えている。

 ただ、最近になって僕は、彼があの曲にああいうアレンジをしたのには、何か別な意図があったのではと思い始めた。

 彼は、この曲をシングルにして、ヒットを狙った方がいいと僕に伝えようとしていたのではないか、と感じ始めた。 

 きっと、彼には、この泥棒日記の他の曲はアレンジを含めて、先取りをしすぎていて、そのままではヒットするチャンスがないと思えたのだろう。 

 だから、シングルにするのなら、綺麗なこの曲におしゃれなアレンジを施すのがいいですよ、と言うことを伝えてくれたのだと、今更ながらに思った。

 残念なことに、この曲がシングルになることはなかったので、彼の意図は生きることはなかったが、果たして、僕のこの推理はあっているのだろうか。

 もし、彼に会うことがあったら、聞いてみたい。

 

09 コンサート用SE

 何かのコンサートのオープニング用に作ったのだと思う。本当に使ったのかどうか覚えていないが、結構、今風で面白い。

10 HOT NIGHT

 当時、この曲がこのアルバムの中では、一番うまく作れたと思って、本当に気分は最高だった。

 

11 ローラ

 最初にROLAと言う英語のスペルにしたら、英語の名前では、そのスペルはないと言われて、LAURAにするのも悔しいので、あえてカタカナにした。だからこの曲に英語のタイトルはない。

 

12 悲しみをうけとめて

 女優でアイドルの伊藤つかささんにシングルとして書いた曲。キーを女性に合わせるために、裏声で歌っているのだと思う。ただ、裏声で曲を作ると、どうしても、スタイリスティックスのようになってしまう。伊藤さんには歌いづらかったかもしれない。

13 へんネ

 もっと、変な曲だと思っていたのだが、これが、なかなか良くできていて驚いた。伊藤つかささんのB面のために描いた曲だと思うが、HOT NIGHTを作った直後だったと言うこともあって、楽器のメロディと歌のメロディがうまく噛み合って、新しさを出している。今のサウンドでやり直したら、十分今の曲になると思う。

 

14 THE X-RAY VISION OF A POET

 記念すべき「ONE DEMENTION MAN」の1曲目。本当に、この曲から作った。いまだに、少しも古くなってないと言う自信がある。

15 WE BURNED OUR WORDS

 この曲を2番目に作ったとは覚えていなかった。今聞いてみると、アルバムのものとは、少し違う。アルバムのものよりも、ポップにできている。最後のシャウトするところもかっこいいのだが、いつものように、アルバムで反映するのを忘れていたらしい。

16 ON SALE NOW

 なんと、歌詞が全く違う。聞いてちょっとびっくりした。

 

17 THIS LAND IS MINE

 何かのCMのための曲だったと思うが、しかし、これだけ変な曲ばかり書いているときに、よくまあ、こんな真面目な、ストレートな曲がかけるもんだと感心してしまう。

 

18 EINSTEIN'S DILENMA

 L≠MF2を、デモの時からそっくりにやっているのが面白い。

 

19 LET'S PLAY DEMOCRACY

 すごくポップに仕上がっている。自慢の一曲だ。

20 LET'S CALUCULATE

 アルバムの曲作りも6曲目ぐらいになってくると、相当疲れてきたと見えて、これは、とても難解な曲だ。ゴダイゴで演奏していた時も、一体どこを歌っているのかわからなくなるくらい、同じことを複雑に繰り返す構成になっていたのだが、このデモが原因だったわけだ。それにしても変わった曲だ。

21 SUPERMAN

 麻薬の売人をテーマにした、とても怖い歌詞なのに、何故かポップなメロディーを書いている。難解な曲の後にはシンプルな曲を書きたくなると言うことだろうか。この曲も、傑作だと思っている。

 

22 ONE DEMENSIONAL MAN

 最後に、タイトルソング(正確にはDEMENTIONとDEMENTIONALで少し違うが)を作っている。

 

23 BE MY BEST FRIEND

 いきなり、日本語の曲だ。それも、すごく真面目に「友達になりましょう」で始まる。ONE DEMENSIONAL MANを作ってから1週間もたっていないのに、このギャップによく耐えて頑張っている。ところで、なんのために書いたのだろう。

24 BEST FRIEND OF MY LIFE

 AS MY BEST FRIENDで始まるので、英語の歌かなと思ったら、日本語だった。でも、得意な3拍子の曲なので、すごく良くできている。

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